じゃがいも日記

母に顔がジャガイモに似ていると言われましたので

恋愛は「この人イケる」って思わせたら勝ちのゲーム

17歳の夜、家をこっそり抜け出して、重いクラブのドアを開けたときのことを今でも覚えている。今にすれば、クソガキでしかないのだが、高2で大学生や社会人のお姉さんたちと一緒に遊んでいたあの時期は、自分の人生でもベスト3に入る「毎日がキラキラ(遊んでた場所はギラギラ)してた時期」だ。(ちなみに、このランキングのナンバー1は常に「今」)

 

中二で彼女ができて、ちゃっかり初体験も済ませた割に、自分のセクシュアリティを認めるのは遅かった。しかし、ネットで真面目な記事だったり、同性カップルの惚気ブログだったりを読んでいるうちに、自然と「あ、女の子好きでいいんだ」と思えるようになった。そんな時代があったなんて、自分でも驚きである。

 

そして、ビアンクラブイベントの開催予告を発見した私は、冒頭の行動に出た。

 

コミュニティデビューとしては上々だった。暗いクラブで、暗い恰好をしていたにも関わらず、ぱっと目についたセレーナゴメス似のお姉さんに話しかけたら、とんとん拍子で遊ぶ約束が決まった。(その人とは、何回か会った後に、居酒屋の個室で膝にお手手を置かれたまま、「うぶなの?鈍感なの?奥手なの?」ってセリフに「えー、どういうことですか?」と返したのが最後だ)

 

その出会いとは別に、コミュニティの中心というか、ずぶずぶ浸ってる人たちとも仲良くなった。狭いコミュニティにはありがちで、恋愛やら派閥(!)やらでドロドロした面もあったが、基本的には気の良い人たちで、本当にこんな人間を仲間に入れてもらって、感謝してもしきれない。

まあ、そこらへんに関するネタはおいおい書く。

 

彼女らは、イベントやら飲み会やらをよく開催するので、コバンザメになっていると自動的にたくさんの人と会えた。または、3人やら4人で遊ぶていで、誰かを紹介されたりもした。

 

(批判を覚悟で書くと)自分の理想が高いのと、年齢の引け目もあり、誰かを好きになることはほとんどなかったが、(自惚れと自覚して書くと)好きになられることは多かった。好きと言っても、胸焦がれるような「好きで好きでたまらない」状態ではなく、「ちょっと狙ってる」に毛が生えた程度のものだ。

なにを言ったって、モテ自慢にしか読めないだろうが、別に私がなにかに優れているわけでは全くなくて、ただ単に、「お得物件」だったんだと思っている。嫌悪感を与えない見た目と最低限のコミュ力をもち、なんのしがらみもない人間が、新しい出会いに飢えている狭いコミュニティに入れば、そりゃある程度、人は寄ってくる。(私はこれを「転校生効果」と呼んでいる)

 

ただ、上記の理由で誰かと付き合うことがなかった私の恋愛観は、この頃に歪んだ。相手が、私のことを「イケる」と思ったらそこで勝ちのゲーム感覚になっていた。ちょっとした自分の仕草で相手が、ドキッとなるのを見るのが楽しかった。なかなかのクソガキのクソレズである。そして、向こうがその気になったら、ゲームオーバー。突然「忙しくて会えなく」なる。かつての自分の頭をはたきたい。

 

そんな青春時代を過ごした私だが、色々あって少し長く付き合った彼女ができ、別れ、再びちゃらちゃら遊んだ。今回はもう大学生になり、大手を振って出入りできる場所も増えたので、「うぶなの?」と聞かれることはなかった。クラブで会って30秒のお姉さんとキスしたりもした。(私史上次点で相性の悪いキスだった)「旅の恥はかき捨て」でアプリや掲示板もフル活用した。(そのころの話ではないが、NYに来てからは何度かデート詐欺にも遭いかけた)

 

そして、病んだ。数人の友人に見切りをつけられ、縁を切られかけるほど、色々と最低の状態だった。

 

失恋の傷が癒えないうちに、そんなことをしても無意味というか逆効果だと気づいたし、ぶっちゃけ、自分のちゃらちゃらした性格が原因で振られたのに、結局、女遊びで気を紛らわすしかない自分が情けないと思った。

 

それからも紆余曲折、すったもんだがあり、今に至るのだが、たぶん、自分のこの性格とは折り合いをつけられている。というか、ちゃらちゃら遊びに軽く飽きたというか、「こんなもんか」という気になってる。(なんて生意気な小娘)

正直に書くと、今でも適度に息抜きはしているのだが、昔ほど必死というか、はまってはいない。恋愛ゲームを突き詰めた先には何があるのだろうか、探す気にはならない。

 

それよりも、限られたエネルギーと時間を人生のために有効活用したいという考えだ。そのなかで、自然と誰かと巡り合えたらそれでいい。(それ「が」いいというほどのロマンチストではない。パートナーが欲しけりゃ行動せよという考えはそのままだ。)

 

昔、それなりに遊んだおかげで、やっと「ゲームセット」できたのかもしれない。

と言いつつ、これから先はまだまだ長い。自分の可能性を自ら封じ込めることはせず、今はただ、目の前の生活を丁寧に営んでゆきたい。

 

 

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おわり。